昨今はテレビのみならず、SNSや動画配信サービスなどで頻繁にCMを見かけることが多くなりました。個人的に特に目を引くのは、「新発売!」や「キャンペーン実施中!」などの売り文句。あまり興味のないジャンルの商品でも思わず目を留めてしまうほど、魅力的な広告には購買意欲を刺激する魔力が込められているように感じます。
しかし、そうしてアピールした商品が実際に市場でどのようなインパクトを残しているのか知るためには、宣伝した商品と、その他の同ブランド商品の売上を比較する必要があります。そこで今回取り上げる「ブランドスイッチ分析」が有効な分析手法になります。
例えば、4月に大々的に宣伝をした「商品A」があるとします。そのプロモーションは効果てきめんで、前月に比べ多くのお客様が購入し、4月中は大きく売り上げを伸ばしました。
では、4月に「商品A」を購入したお客様は、前月はどのような購買行動をしていたのでしょうか?おそらく同一ブランドの他商品を購入していたお客様や、そもそもそのブランドの商品を今まで手にとらなかったお客様が、宣伝に刺激を受けて「商品A」を購入したのではないかと推測がつきます。しかし、実際はどうでしょうか? 同一ブランドの他商品といっても特にどの商品から「商品A」に移動(スイッチ)してきた割合が高いのでしょうか。あるいは、初めて購入した新規層のお客様割合が高いのでしょうか。前月のデータと比較してお客様の購買行動の変化を分析し、商品の売上の要因を探る。それが「ブランドスイッチ分析」です。
同じような考え方で、翌月のデータと比較してお客様の購買行動の変化を分析することも重要です。「4月に売り上げを伸ばした『商品A』」を先ほど取り上げましたが、その商品がその後市場に浸透しているのか、売り上げが一過性のものではなく、引き続きお客様に選んでいただける商品となったかを分析する場合にも、「ブランドスイッチ分析」は有効です。
この場合は、4月に「商品A」を購入したお客様が翌月も継続して「商品A」を購入しているのか、あるいは翌月にはまた同一ブランドの他商品を購入するようになってしまったのかを分析することになります。その分析により、その商品の市場での浸透率を確認し、またシェアを奪い合うライバル商品の存在を明確にすることができます。それは次のアクションへの動機を獲得することにもつながっていきます。
今回は「ブランドスイッチ分析」の概要を紹介しました。
新商品の発売月やキャンペーン実施期間をもとに、その前月や翌月の売上データを比較することで、
・その商品が同一ブランドのどの商品とシェアを奪い合っているのかを分析する
・新たな層のお客様を獲得し、さらに継続して購入されているかを分析する
ことができます。そうした現状の把握から、「シェアを安定させるためにどのような施策を打ち出すべきか」、「一度離れてしまったお客様を呼び戻すための効果的なキャンペーンは何か」など次へのアクションにつながるヒントを獲得できるようになります。